幼少期の挫折とシャネルスタイル

シャネルの創設者、ココ・シャネルの生い立ちは、ベールに包まれていると人々は語る。
実際、彼女自身が多くは語たりたがらず、その幼少期は彼女自身によってベールに隠された。
というのも、彼女が周囲に語った少女時代の彼女の思い出話は、
事実とは異なったり、矛盾があったからだ。

家庭的な愛情に恵まれず、思春期を修道院で過ごしたシャネルは、自身の生い立ちに触れたがらず、嘘で束ねた作り話を周囲に話すようになっていた。
一度ついた嘘は、新たな嘘を生み、その複雑な生い立ちをかえって浮き立たせた。

本名ガブリエル・シャネル。
実際「ココ」と呼ばれたのは18歳で修道院を出た際、歌手を目指し歌っていた居酒屋での愛称だった。
シャネルは周囲には父親がつけた愛称なのだと語ったが、切なる彼女の願いだったのかもしれない。

シャネルが幼少期、過ごした修道院での厳しい境遇は、のちの彼女のファッションに反映され

女性実業家として、シャネルが築きあげたシャネル帝国。
そのシャネルスタイルは、見せかけのきらびやかさや無駄な装飾を嫌ったシャネルが、
幼少期に過ごした修道院での生活の中で感じ覚えた、古き良き伝統を長く重んじるような感覚に似ている。

修道院での厳しい規律のある生活の中で、裁縫を仕込まれ、図書館では読書に没頭した彼女。
挫折から始まったシャネルの幼少期は、ベールに隠されながらもしっかりとシャネルスタイルとして、
語り継がれている。